職場の退職管理はどうされていますか?


夏が過ぎ、スタッフはなにかしら新たな変化の兆しを見せて、心が揺らいでいる様子が伺えます。
現実の足元を見て、自分自身の看護に対する充実感や達成感を実感できていないと感じれば、たちまち隣の芝生が青く綺麗に見えるようになります。本当は、その芝生は踏み込んでみなければよくわからないものなのですが・・・。それに拍車をかけているのが、募集のための美辞麗句です。

一方、年度途中で退職者が発生すると、病棟運営に大きな支障を来たし、管理者にとって頭の痛い悩みになります。
ある病院に着任した頃、不思議なことに毎月のように退職者が出ていました。過去のデータによると、離職率は18~20%を示しており、退職の理由は人間関係と「ここにいても学ぶことは何もない」というものでした。新採用者研修等に相当の労力と経費をかけていたはずなのですが・・・。

これは、何よりも目の前の患者さんに対する看護にとっては大きな損出です。患者さんから得た信頼関係や、手馴れた安心できるケアが突然に失われる訳ですから。補充ができなければ「今日は人手不足だから昨日までのケアが実施出来ない」ということになりかねません。また、その補充の為の募集活動に高額な経費とエネルギーを要します。年度途中での採用は困難を極めるうえ、なかなか良い人材は確保しづらいのです。

年度途中で退職があると、その補充にむけて採用面接と新採用者オリエンテーションばかり実施している状況になります。本来ならば、これを担当する優秀な看護師のケアは、苦しんでいる患者さんのために提供されなければならないのに、本当にもったいない話です。

またもうひとつ悪循環を招いているのが「辞めたい」と言うと、必ず師長や看護部長、病院関係者らが挙って引き止めるという現象です。この引き止めらたスタッフは現場に戻ったときこの経過を他のスタッフに伝え、このケースが繰り返し行われると職場風土にも悪影響が及びます。そうしてインフォーマルなグループが発生するかもしれません。

私は自分の意志で「辞めたい」という看護師は絶対に引き止めません。この看護師は、たとえ誰かに説得されて留まったとしても、患者ケアに真摯に向き合うことができず、患者さんにしわ寄せがいくと考えています。
何よりも、自分がよく考えて自分の意志で決断したであろう「辞めたい」という言葉は、「大人として責任ある言葉」とし、大いに尊重されなければならないはずです。だから辞めたいと言ってきたら「そうですかわかりました」と引き止めないことを徹底しました。すると、その状況が仲間たちに伝わるうち、「辞めたい」と言ってくる看護師が徐々に減っていきました。

組織の一員である以上、そう簡単に「辞める」という言葉を口に出すべきではないはずです。ましてや、それを武器にして要望を通そうという態度を許しては、組織は成り立って行きません。
管理者が、スタッフの「辞めたい」という言葉に怯まない姿勢が、自分の言葉や行動に責任を持つ人材を育てるとともに、年度途中の退職を抑え、看護の質を保つ管理につながるのです。

※この退職管理のお話は来月に続きます・・・

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>